年齢が進むと誰しも物忘れが増えます。多くは良性健忘といい加齢によるものです。一方で、70歳をこえた頃から認知症が増え始めます。その半数以上を占めるのが「アルツハイマー型認知症」です。以前は内服薬で進行を遅らすのがやっとでしたが、現在は原因物質の一つの脳内のたんぱく質(アミロイドβ)を取り除く治療が行われるようになりました。ただし、認知機能が一定以上維持されていることなど条件があります。認知症は、早期発見、早期治療によってより進行を遅らせることができるようになりました。もの忘れ外来のよくあるご質問
Q.
どのような症状で気づくことができますか?
A.
自身では「物をどこに置いたかよく忘れる」「直近のことが思い出せない」「約束事を忘れてしまう」など、家族からは「伝えたことをよく忘れる」「同じことを何度も聞かれる」などが多いです。また、最近物事への興味が減った、怒りっぽい、気分が落ち込む、がまんができないといった変化が認知症の初期に表れることがあります。
Q.
どのような診察を行うのですか?
A.
まず、問診表を記入いただき、お困りの症状がいつ、どのように始まり進んだかを詳しくお聞きします。その後、質問形式の物忘れの検査(10分程度)を行います。身体診察の後、血液検査なども行います。頭部MRIなど画像検査が必要な場合は、他院に依頼します。診断は、病歴と認知機能検査、画像検査を合わせて行います。
Q.
どのような認知症がありますか?
A.
アルツハイマー型が代表的ですが、他にレビー小体型、血管性、前頭側頭型などがありそれぞれ特徴があります。これらが混在する場合もあります。体の病気や精神的な病気が背後にある場合もあります。また、認知症とは言えないまでも正常との境界状態にある「軽度認知障害(MCI)」と診断されることもあります。MCIは以前なら経過観察になっていましたが、アルツハイマー病への移行期の可能性がある場合はさらに精査を進めるか相談します。
※アルツハイマー病で認知症のレベルまで進行したものをアルツハイマー型認知症と言います。
※アルツハイマー病で認知症のレベルまで進行したものをアルツハイマー型認知症と言います。
Q.
認知症の治療はどのようなものですか?
A.
大きく分けて「薬物療法」と「非薬物療法」があります。アルツハイマー型などの認知症は薬物療法で進行を遅らせることができます。その他の認知症も脳のリハビリ的な働きかけ(適度な刺激、活動、運動)で認知機能を保つことが期待できます。認知症の方が安心して生活するために、その方の認知機能に合わせた生活環境を整えることが大切です。
Q.
新薬でアルツハイマー型認知症は治療できる病気になったのでしょうか?
A.
まだ進行を止める、改善させる治療ではありませんが、早期の治療によって認知機能をなるべく維持しながら人生をおくる時代になったと言えるかもしれません。
Q.
本人が受診したがらない場合はどうすれば良いですか?
A.
認知症は本人に自覚がないことがありますので、ご家族の相談だけでも構いません。薬の処方はできませんが、受診の仕方や症状への対応法についてご相談させていただきます。











