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アルコールの問題と言えば「アルコール依存症」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。わが国のアルコール依存症の推計は約80万人と言われています。しかし、それよりさらに多い「アルコール関連身体疾患」は、その10倍、約800万人いると推計されています。

「アルコール関連身体疾患」とは、依存症とは言わないまでも多量の飲酒によって肝障害を指摘されている人、糖尿病や高血圧症といった生活習慣病にお酒の影響を指摘されている人などです。これらの多くは、「お酒の害をある程度は認識していながら減らすきっかけをつかめていない」という状況にあります。「アルコール外来」では、このような方々にお酒を減らすきっかけを与え、支援していくことを目的としています。

アルコール外来のよくあるご質問


Q.
アルコール依存症の人、疑われる人は対象になりますか?

A.
対象になります。病状よりも、その方の治療意欲の方が重要です。

Q.
どのような治療を行うのですか?

A.
まずは本人の希望を聞きます。体の状態で一定期間の断酒を勧めることもありますが、最終的には本人に「お酒とどう向き合いたいか」を決めてもらいます。
希望があれば「HAPPYプログラム」という肥前精神医療センターで開発された認知行動療法を用いたプログラムもとに治療を行います。
さらに最近ではアプリを用いたプログラム「HAUDY(ハウディ)」が保険適応となり利用できます。
いずれもこれまでの飲酒を振り返り、アルコールの健康被害を理解しながら自分自身の目標を立て、実践し、飲酒行動を修正していくというものです。

Q.
お酒をやめる必要はないのですか?

A.
やめるかどうかは本人の判断に任せます。減酒から始めたが上手くいかず断酒に切り替えて上手くいった方もいます。1~3ヶ月の断酒にチャレンジすることもお勧めです。

Q.
どれくらい通院が必要ですか?

A.
「HAPPYプログラム」を用いた治療は3ヶ月間(2週ごと6回)、「HAUDY」は6ヶ月間(1ヶ月ごと6回)で終了するプログラムです。終了後も通院を続けるかは相談して決めます。

Q.
もし効果が出なかったらどうするのですか?

A.
すべての人にすぐに効果が表れるというわけではありません。
なかなか減らせない方も、飲酒の影響を知り、自分自身を振り返ることでその後の飲酒行動に変化をもたらすきかっけになります。
飲酒によって体の状態が悪化している方は入院を勧めることもあります。

Q.
アルコールの治療に薬は効かないのでしょうか?

A.
アルコールの治療薬は、昔からある抗酒薬、飲酒欲求を減らす断酒補助薬、飲酒量を減らす減酒補助薬があります。必要に応じて処方します。

Q.
他に有効な治療法はありますか?

A.
それは自助グループに行くことです。アルコール治療には集団療法が大変有効です。
米国の調査では治療効果が4~5倍高まるとの報告があります。日本では、断酒会とAA(アルコホーリクス・アノニマス)などがあります。

Q.
なぜそのような効果があるのですか?

A.
自助グループ(集団療法)では、同じ悩みを経験した方達が集まり、人の話を聞くこと、自分自身が話すことで自分への理解、病気への理解が深まり、飲酒行動に変化をもたらします。

Q.
家族だけが相談に来ても良いのですか?

A.
治療において家族の役割は大きいです。本人が受診できない場合は、ご家族だけが来院し本人への対応方法を一緒に考えたり家族会への紹介などを行っています。

アルコールの治療は根気がいる治療ですが、あきらめなければ必ず効果が表れます。ご自身や家族のことで悩んだ時はご相談ください。